NRK活動報告書

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さよなら、けたぐりおじさん

間垣親方(元小結・時天空)の訃報から10日余りが経った。
亡くなったその日の昼休みに相撲好きの先輩から聞かされて、休憩室で思わず泣いてしまって同僚たちを驚かせてしまった。
ちょうどそのとき試験直前だったけど、もうその日は何も手につかなくて家に帰って画像検索かけて布団の中でずっと泣いてた。


初めて時天空という力士のことを知ったのは、相撲を見始めて少しした頃だった。
対戦相手が誰だったかはもう覚えてないけど、鮮やかなけたぐりで一瞬にして相手を転がしていた。
当時まだルールをよくわかってなくて技の一つだと知らなかったから「あれはアリなのか」と思ってただただびっくりした。
それからもたびたび足技を連発していて、最初は「やたらと蹴ってくる人相の悪いおじさん」という非常に失礼な認識をしていて、正直あまり好きではなかった。
でも見ているうちにあの白く形の良い脚から繰り出されるバリエーション豊かな足技が癖になっていった。
そして巡業や協会公式ツイッターでのオフショットで見せる、土俵上での仁王様のような強面からは想像もつかないほど柔和な笑顔と神対応のファンサービス。土俵入りで誰よりも深々と礼をして土俵に上がる姿。さらにモンゴルの学校に寄付活動をしたりしているという話を聞いて「この人顔はめっちゃ怖いけどいい人なんだ」と思うようになって、毎場所見るのを楽しみにしてた。


悪性リンパ腫という病名を公表されたのが一年前。
引退されてしまったのはとても残念だったけど、これから親方として後進を育ててくれることは嬉しかったし、去年の秋場所で親方として仕事してるのをテレビで見かけたときは元気になったんだと思って安心してたのに。もっと親方の解説を聞きたかった。いつかは巡業や本場所に会いに行きたかった。


未だに親方がもういないと思うとどうしようもなく悲しくて悔しくて寂しいけど、相撲の技の多彩さや取組の駆け引きの面白さを教えてくれた親方には感謝している。
日本に来てくれてありがとうございました。
そして闘病生活お疲れ様でした。どうか安らかにお休みください。