NRK活動報告書

更新は年に数回

ともだちのそうしき

一週間前の話になってしまったけどこの話はどうしても書きたい!ので書く。


4月17日、これを見に東京まで行ってきました。


◆◆◆RONNIE ROCKET nano◆◆◆

「ともだちのそうしき」

アイツが死ななきゃ、出会わなかった----

33歳、奇しくも(実際は奇しくもでも何でもないが)坂本龍馬と同じ歳で、一人の男が亡くなった。その男の葬式で二人の男が遭遇する。一人は彼の十代をよく知る同郷の男、もう一人は彼の二十代をよく知る大学時代の友人。初対面ながらも、亡くなった男を共通項に想い出話が弾む。かと思いきや、弾まない。ていうか、あちこちに弾んでバウンドしてくる。二人が想い出話をすればするほど、とても同じ人物とは思えないキャラクターのギャップが浮き彫りになっていくのだ。「アイツ、そんなキャラだったっけ......」二人の間に生まれる違和感。やがて明らかになるミッシングリンク。果たして亡くなった彼の身に何が起こったのか----。二人の違和感の行き着く先には何があるのか----。

最近、奇数年にしか公演を打ってなかったマイペースな零細ユニットRONNIE ROCKETが、偶数年である2010年に輪をかけて零細な"nano"公演を打ちます。とってもミニマムな公演です。笹塚と東北沢の中間に位置する純和風スポット(ていうか、もろ民家!)・大吉カフェにて、和室なロケーションならではの男優二人芝居をじっくりさっくり70分。キャパ24席限定にて、可笑しくも物哀しい密室会話劇密室会話劇をお届けします。桜散る頃、大吉カフェでお会いしましょう。

脚本・演出 仗桐安(RONNIE ROCKET)
出演    服部弘敏(identitiez) 前田剛(BQMAP)

宣伝美術 原康一郎/協力 identitiez BQMAP/企画・製作 LUCK-UMU

まえたけさんを知ったのはギャグマンガ日和でなので、声優としての前田剛は知ってたけど、是非とも舞台俳優としての前田剛を見てみたかったのです。
電車の時間の関係でかなり早く着いてしまったお陰で最前列中央という一番良い席で観られました。


で、劇の内容。
「ともだちのそうしき」というタイトルの2人芝居。
私の好きなタイプの密室型会話劇。動きはほとんどなし。小道具も必要最低限のみ。
会場は6畳2間の民家で、片方の部屋が舞台でもう片方の部屋が客席という非常に狭い場所で、手を伸ばせば役者に触れられるくらいの距離での劇だった。和室の他にも舞台袖として縁側に出たりもしてたから、本当に起こっている出来事のような錯覚を覚えました。
動きの少ない会話劇だからこそテンポとか間合いとかかなり重要になってくるんだけど、微妙な表情の変化や視線の方向で演技していて、全く不自然さを感じさせない進行でした。
共演してた服部弘敏さんて俳優さんも初めて見たけど、ちょっと癖のあるキャラクターを好演してた。なかなかいい役者さんでした。
まえたけさんの演技が見たくて行ったんだけど、劇が始まったらそこにいるのは前田剛と服部弘敏ではなくて、コバヤシアキオの弔問に訪れた大学時代の友人の大村早人と幼なじみの中島慶一でした。プロの役者ってやっぱりすげえ。

公演が終わってから、役者の人と面会したい方は順番にどうぞって言われたのでもちろん会いに行きましたよ。
生で見られた上に話まで出来るとは思ってなかったので緊張しすぎてほとんど何も喋れなかった。
顔もまともに見られなくてアゴヒゲのあたり見て話してましたwww
実は早く着きすぎて開場する前に会場付近をウロウロしてた時に、偶然まえたけさんが入口から出てきて緊張しすぎて思わず隠れてしまったんだけど、まえたけさんも気付いてたみたいで、そのことについて言ってもらえました。
最後に握手までしてもらえて死ぬかと思いました。
もうこの手洗わない!とか思ったけどそのあとトイレ行ったんで15分で洗いました。せっけんで。
握手されたことでテンション上がりすぎて逆に大胆になって写真も撮らせてもらったけど、次の公演まであんまり時間が無いのに迷惑だったなぁと後で冷静になって反省。悪いことしたなぁ…。
わがまま言ってごめんなさいorz
せっかくなので服部さんともお会いしたかったんだけど、何故か面会できたのはまえたけさんだけでした。うーん残念ヌ。

しかし久しぶりにまともな劇見たけど、やっぱり演劇っていいなぁと思った。
また行けたらいろんな劇見に行こうかな!あんまり長野には来ないけど!



で、ここまでがmixiに書いた話。
あんまり長く書くとウザいと思って書かなくて書き足りないので続きはここに書く。
(注意!ここから先はネタバレを多分に含みます!6月あたりに再演するらしいので見に行く人は読まんといて!)























まえたけさん目当てで行ったわけじゃないと言えば嘘になるけど、今までもタケシとユカとか、まえたけさんの出る劇を見に行く機会はあったわけで。でも会場がいつも東京とか関西とか遠いからって行かなかったわけですよ。
それが今回何で行く気になったかって言うとあらすじ見て「なにこれめっちゃ面白そう!」って思ったから。
もともと「その場にはいない1人の人間(あるいは過去に起こった出来事)について、その人物を良く知る(その出来事を体験した)人達がそれぞれの視点からその人物(出来事)について話す」っていう形式の話がすっごい好きなんですよ。恩田陸の「ユージニア」とか「Q&A」とか。ちょっと違うけど「黒と茶の幻想」みたいに。
結果としては、行って本当に良かった。本当に面白かった。まえたけさんが告知しなかったら気付かずに終わってた。ありがとうまえたけさん(笑)


小林明夫(漢字は適当に当てたもの。)」という共通の友人について、高校時代までを知っている中島慶一(あだ名:チェン)と、大学時代からを知っている大村早人(あだ名:オムライス)。初対面の2人が通夜で出会うところから物語が始まる。
お互いに自己紹介をして、小林の親友だと言う。んだけど、中島は小林のことを「リー」と呼び、大村は「バッキー」と呼ぶ。しょっぱなから食い違う人物像。そこでお互い自分の知る小林明夫について話し始める。
あだ名の由来からお互いの思い出話に入っていくくだりがすごく自然で良かった。見てるこっちも「何でリー?何でバッキー?」って気になって、一気に引き込まれた。
2人の語る「リー」と「バッキー」があまりにも食い違いすぎてて、一体小林明夫に何が起こったの?って気になった。
真相としては「なーんだ、そういうことかよ」って感じがしないでもなかったかな。
でもラストシーンで2人が嗚咽を噛み殺して泣くシーンにはホロリとした。
いくら親友とはいえ、「チェン」にとっての「リー」は元いじめっ子だし、「オムライス」にとっての「バッキー」は元彼女につきまとってた奴だし、出会いは最悪だったはず。
それぞれ良い思い出ばかりじゃないし、嫌だったこともたくさんあったのに、それでも親友と言ってその死を泣く。
それまで楽しく話をしてたのに、会話が途切れた拍子に中島が泣き出し、泣き笑いから嗚咽に変わり、大の男2人が肩を震わせて泣く。
大村の「小林明夫が…死んだんだぞ…!?」の台詞が胸にじんわりと沁みた。この一言に2人がどれだけ小林のことが好きだったかが集約されている気がした。
個人的に一番好きだったシーンは、どちらかが言った「これからは、『チェン』と『オムライス』で」っていう台詞。ちょっと泣きそうになった。
全くの初対面同士なのに、もういない「小林明夫」という1人の人間を介して繋がる絆。それを可能にするほどそれぞれが小林のことを、小林との記憶を大切にしていたんだなと。
こんな親友が2人もいた小林は幸せな人生だったと思う。
ちょっと悲しいけど、幸せな気分になれる話だった。


これはちょっと極端な例だけど、こういうことって現実にありそうだよね。
私の葬式で幼なじみと相方が出会ったらどんな話をするのかな、とか考えてしまった。
往復6時間、11860円かけても行って良かった。
何だかこれ見たら昔の友達に会いたくなったな。連休に会いに行こうかしら。


受付で台本売ってるって聞いてめっちゃ買う気だったのに買わずに帰ってきて、はて何でだっけって考えてて思い出した。下ネタっていうかエロネタが多くて恥ずかしかったからだ。うん、エロネタのところは観ててちょっと居づらかった。最前列中央だったから余計に恥ずかしかったwww
でもやっぱり買ってくればよかったなぁと後悔。
6月に再演するようならまた行きたいな。仕事休みになりますように!!