NRK活動報告書

更新は年に数回

いきなり!微生物学。

ところで「淋しい」の「淋」って淋菌の「淋」だね。


☆Neisseria gonorrhoeae☆
【形態と性状】
・グラム陰性球菌。腎臓型あるいはそら豆型で2個の細胞が向かい合った形の双球菌。
・鞭毛・芽胞は無し。
普通寒天培地には発育しない。(非病原性のNeisseria属では発育するものも多い)
・血液寒天培地・チョコレート寒天培地に生える。
・選択培地としてサイヤー・マーチン培地を用いる。
・発育至適温度は35〜37℃で、30℃以下や40℃以上では発育しない。
・3〜10%のCO2存在下での発育は良好。
ローソク培養法などでも発育する。
・37℃2〜3日培養する。
・低温に弱い。高温に弱い。乾燥にも弱い。とにかく環境中において死にやすい。→淋菌を疑う尿検体は冷蔵保存はダメ!(死ぬので)
・ついでに髄膜炎を疑う髄液も冷蔵NG(髄膜炎菌はNeisseria meningitidisで淋菌と同属)
好中球に貪食された状態の像が鏡検で観察できる。(好中球の中にピンクのツブツブが入ったものが見える)
【生化学的性状】
・オキシダーゼ陽性。(Neisseria属に共通)
・カタラーゼ陽性。
ブドウ糖のみを酸化的に分解。(髄膜炎菌Neisseria meningitidisはマルトースも分解)
・硝酸塩は還元しない。
【病原性】
・ヒトにのみ感染する。
・IgAなどを分解するプロテアーゼなどを産生する。
尿道や性器の化膿性疾患を起こす。特に男性の尿道に感染すると激痛を伴う…らしい。
・菌血症や心内膜炎、関節炎などを起こすこともある。
・産道感染による膿漏眼などの原因にもなる。
・近年、ペニシリン耐性菌(ペニシリナーゼ産生淋菌Penicillinase producing Neisseria gonorrhoeae:PPNG)による感染例が増加している。
【抗菌薬感受性】
ペニシリン系に高感受性。(ただし耐性菌も増加中)
・他にスペクチノマイシン、セフェム系マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系に対しても感受性が高い。


はい、国試脳です。