NRK活動報告書

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040:キス

大抵の病院で専門試験が課されてるから勉強しないとヤバい。
ということでお題に沿って勉強してみようのコーナー。


EBV(Epstein-Barr Virus)
ヘルペスウイルス科のγ亜科に属する。(HHV-4)
・塩基長172Kb
・正常ヒト末梢Bリンパ球、上咽頭上皮細胞に感染する。
・一度感染するとBリンパ球に終生潜伏感染する。
・主な疾患に、伝染性単核球症、舌毛状白板症、咽頭、胃癌、バーキットリンパ腫悪性リンパ腫、カポジ肉腫などがある。
・日本人では90%以上、欧米人40〜50%が抗体を保有する。
・幼児期の感染では多くは不顕性感染もしくは軽症
・成人期の感染では伝染性単核球症を引き起こすことがある。
・主な感染経路は経口感染、母子間の垂直感染。


EBウイルスによる疾患
バーキットリンパ腫
アフリカ中西部に多く、顔面顎部に好発するBリンパ球性の悪性リンパ腫です。
顎部の他にも胸・腹部内臓、骨髄にも発生します。
また、上皮性のものは上咽頭癌として知られています。
これらの発症には環境や遺伝的要因が関与しています。
バーキットリンパ腫はルオー族という種族に多く、環境的要因としてアフリカ地方で食料とされているミドリサンゴという植物(アロエみたいなやつ)の抽出物に4-deoxyphorboresterという物質が含まれており、これには
・潜伏EBVを再活性化
・細胞性免疫の抑制
・不死化能の促進
・8番と14番染色体の相互転座の促進(癌遺伝子の活性化)
などの作用があります。
咽頭癌は中国系に多く、環境的要因としては中国華南地方にみられるミドリサンゴ類似の植物や、塩漬け魚、燻製魚などがあるそうです。


伝染性単核球症(IM)
感染後、20〜30日の潜伏期間を経て発症します。主な症状は、発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などです。発熱は数日〜数週間続き徐々に下降します。通常、予後良好な急性熱性疾患で、多くは 2〜3週間で改善しますが、合併症を伴うこともあります。
検査方法は、ポール・バンネル反応、異型リンパ球検査が主に用いられます。
15〜20%の成人の唾液中にEBVが検出され、この唾液を介して感染するため、キス病(kissing disease)とも呼ばれています。
ちなみにアメリカとかでは大学2年の9〜10月頃にコレを発症する学生がよく出るそうです。
つまりアレだ、大学入って1年経って彼氏だの彼女だの出来て、学期末テンションで浮かれてファーストキスなんぞ済ませてそこでウイルスもらって潜伏してたやつが新学期になって発症するわけだ。リア充ですね、わかります。