NRK活動報告書

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059:蝶々

この前の誕生日にbricから蝶々の形の髪留めをもらった。つまりそれだけ髪が伸びたということだ。
去年の春から伸ばし始めて、今では肩につくぐらい。
オフラインで会った事ある人はご存知の通り、小学生の頃からずっと極端なまでに短くしてたのにだ。
実験する時とかに邪魔になるし、自分でも生涯髪を伸ばすことはないと思ってたんだけどね。
何で伸ばそうと思ったの?とか、何かあったの?とか当初はよく訊かれたもんだ。
特に理由はないんだな。強いて言うならきっかけは実行委員をやった2年の時(一昨年)の寮祭か。


男子寮の寮祭では、一回生が派手な色に髪の毛を染めるっていう風習があってさ、毎年寮祭が近付くと青とか緑とかピンクとかそりゃあもう華やかな頭になるわけよ。
それを見たうちの寮の寮祭長が寮祭前夜の3時頃に唐突に「うちらもチーフサブみんなで髪染めよう!」って言い出して赤いブリーチ持ち出してきたのさ。
その時は今から染めたら朝までかかるじゃないか寝かせてくれよと思ってトンズラしたんだけど、楽しそうだなと思ったんだよ。
それで寮祭の時は機会を逃しちゃったけど、「いっぺんくらい派手な色に染めてみたいなぁ」という気持ちが芽生え。


で、寮祭終わったら髪染めてみよう!と決心したものの、1月には成人式を控えてたから延期。
成人式終わってテスト期間に入って、春休みに入ったら染めよう!と思ったけど春休みは病院見学行くから延期。
それで春休み明けて4月に入ってからようやく実行に移すべく美容室へ。
そしたら店長が「染めるのもいいけどストパーかけてみない?」と。
じゃあやってみるかねってストパーかけたら今まで散々私を苦しめてきた悪質なくせ毛がびっくりするほどまっすぐになったんだよ。
いやぁもう世界が変わったね。自転車で学校まで坂道上ってきて汗かいても前髪がまっすぐなままなんだぜ?


その後、しばらく実習とバイトが忙しくて髪切りに行く暇が全然なくて伸びるに任せてたら梅雨に入ってさ。
今までは梅雨時の湿度が高い時期になるとただでさえ悪質なくせ毛がもっとうねうねくるくるしてさ、発作的に前髪全部切り落としちゃったりするぐらいだったんよ。
それがストパーかけたらほとんど気にならなくなって、あれ、これ別に切らなくてもいいんじゃね?ってなってさ。
中途半端に長くなってたからここで切るよりいっそ伸ばしてまとめた方が涼しいし実験の時も邪魔にならないんじゃなかろうかと気付いて、そこから本格的に伸ばし始めて9ヶ月。今に至る。


それまで自分のくせ毛がすごいコンプレックスでさ。鏡見るのも嫌だった。
人前に出るのも嫌でバイトも接客なくて済むようなものばかりやってたし、似合わないからってスカートとかも穿かなかったんだよね。いや今でも滅多に穿かないけど。
それがストパーかけたら一気に解決したんだよ。
性格も少し前向きになったと思うし、知らない人とも前よりは話せるようになったし。
前髪のくせ毛が少しおとなしくなっただけっていう他の人から見れば気付かないような些細な変化だけど、自分の中では本当に大きな変化だったんだよ。


人生って何がどういう結果になるか分からない。
あんなに嫌がってた寮祭が自分の殻を破ってくれたんだからね。


そういえばあの年の寮祭キャラクターも蝶だったっけ。
あの寮祭を通して、私も羽化できたわけだ。


ずっと蛹の中に引きこもってた芋虫は春を迎えて美しい蝶に…


あ、蛾だった。