NRK活動報告書

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例の事件について

ちょっと遅くなったけど、昨日書こうと思ったんだけどバイトで時間無くて書けなかったので。
京都で起きた、16歳の少女が父親を斧で殺害した事件の影響で「ひぐらしのなく頃に解」と「School Days」の放送が見送りになったらしいですね。今更自粛したって何の意味も無いと思うのだけれど。
一部のメディアでは事件と作品の関連性が指摘されてるとか。
またですか。
5月に起きた会津若松の事件の時も犯人の少年がマンソン閣下のDVDを見てたとかマスコミに取り上げられて不愉快な思いをしたっけな。
「School Days」の方は見たことがないから何とも言えないけど、「ひぐらし」の方との関連性なんて凶器ぐらいしかないんじゃない?
犯人の少女が「ひぐらし」見てたかどうかの確証もないわけだし。


そもそも「ひぐらし」は作品中で「殺人はどんな事情があっても絶対に間違っていて、やってはいけない最低の手段だ」「何か困ったことや悩み事があったら一人で思いつめて短絡的な手段に走らないで周りの人に相談するべきだ」ってことをしつこいぐらいに訴えてるのになぁ…。むしろちゃんと見て、そこからメッセージを感じ取っていれば殺したりなんかしないのでは?
逆説的に殺人というテーマを取り上げたのにそこだけ切り取って報道されても。


こういった報道の仕方は嫌いです。
作品の一部分だけを引っ張ってきて無理やり当てはめて考えるっていうやつ。
血液型とか誕生日とかでの性格診断と同じですよね。それっぽい記述があれば後は勝手に読者が自分に似たところを見つけて当たってるように思ってくれるという。確証性バイアスって言うらしい。


この手の報道は作品に対して間違った印象を与えるだけでなく、犯人に対しても間違った先入観を与えてしまうと思います。
犯人側には私達外部の人間には分からないような事情とか、殺人に至るまでの経緯や心情、おそらくあったであろう心の葛藤、憎しみや罪悪感、その他諸々の感情はあったはず。
にもかかわらず、たまたまアニメやマンガが好きだったというだけで、それらの事は無視して、似たようなシーンのある作品を引き合いに出して「ほら、これの真似をしたんだ」というのはあまりにも思慮が浅すぎるのではないでしょうか。
事件と作品の双方を歪めて伝えているとしか思えません。


今回の事件だって、もしかしたら件のアニメを見て影響を受けたということはあったかもしれない。でもそれはまず「殺意」が先にあり、「手段」を模倣しただけのこと。
先程も書きましたが、「ひぐらし」は作品中で殺人という手段を取ることの愚かしさを繰り返し強調しています。
どう曲解しても「ひぐらし」見た→「よっしゃお父さん殺すか」とはなりません。


こういった手法を飽きもせずに用いるのは読解力と想像力が欠如しているということなのかね。
まあ、今回の件で「ひぐらし」について触れたメディアは本当にごく一部だし、目くじら立てるほどのことでもないんだけどね。前々から思ってたことだから書いてみた。



最後に、これはひどいと思ったニュース。


YouTube


ニコニコのアカウントあるならこっちでも。


京都16歳少女斧で警官の父を殺害 政治/動画 - ニコニコ動画



なんつーか…海外の土産物屋でばったもんのキティちゃん見つけたようなそんな感じだよねこの説明の仕方。


しかもせっかくフリップまで作って紹介してるのにその後コメンテーターにもスルーされてるし。
ワロス