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【検証】華ヤカ哉、我ガ一族

このお話、「大正時代」って設定になってますが、具体的に何年のお話なんですかね。けっこう不安定な時代だから1年違うだけで時代背景が変わってくると思うのだけど。
と、いうわけで検証してみた。


主人公が働き始めるのが4月で、翌年の3月までの1年間のお話となっているので、物語のスタートである「4月1日」が「何年の4月1日」なのかを考えてみましょう。


まず、大正は1911年〜1926年の15年間。
作中で次男(32歳)が「大学を卒業してまもなく大戦があった」と言及していますが、これについては第一次大戦のことと注釈がついている。
第一次大戦は1914(大正3)年勃発(日本によるドイツへの宣戦布告は8月)、ベルサイユ条約締結が1919(大正8)年のこと。
卒業後「まもなく」ということなので、まあ卒業後5年以内と仮定して、次男が卒業したのは1909(明治42)年〜1914(大正3)年。
この時代では大学は医学部は4年制、それ以外は3年制。
軍人になるのに医学部行くとは考えにくいので3年で卒業でしょう。
大学は19歳からだったようなので、留年などせず順調に卒業したと仮定して、そこから計算していくと作中は1919(大正3)年〜1924(大正13)年。
ベルサイユ条約締結は8月のことなので、1919年4月はまだ大戦中。
陸軍大佐ともあろう人物がそんな時期に呑気に茶会だの舞踏会だのに出ているとは考えにくいので、1920(大正9)年以降。


さらにこの時代で忘れてはいけない出来事として、関東大震災が挙げられます。
関東大震災が起こったのは1923(大正12)年9月1日
このことが作中で一切触れられていないこと、また東京は壊滅状態になったはずなので、銀座の様子からこれより前と分かります。(半年やそこらであそこまで復興することは不可能でしょう)


これらのことから、1920(大正9)年〜1922(大正11)年と考えました。
だいぶ絞り込めましたね。


さあここからは実際の暦を見ながら検証していきましょう。
このゲームではカレンダーに沿って屋敷内での年中行事が進行していくわけですが、このカレンダーによると、物語開始時の4月1日は金曜日。
そして実際の暦を調べると、4月1日が金曜日となるのは、


1921(大正10)年。


つまり「華ヤカ哉、我ガ一族」は1921(大正10)年4月〜
1922(大正11)年3月の物語
と考えられます。


ちなみに続編となるキネマモザイクは4月〜10月までの話とのことなので、1922(大正11)年10月まで。関東大震災は起こらずに済みそうです。


ここまで検証して矛盾がないことに軽く感動を覚えたぜ…やるな高木さん(ディレクター・シナリオ)…。


ちなみに作中で首相が暗殺されますが、現実の1921(大正10)年に首相を務めていたのは原敬
中学校あたりで習ったと思いますが、この方も任期中に暗殺されていますね。季節もだいたい同じ頃だったはず。
そしてこれも余談ですが、暗殺された原敬に代わり首相に就任したのがあの高橋是清
これから15年後、1936(昭和11)年にあの二・二六事件で暗殺されます。
そう思うとどうにもキナ臭い時代ですね。


ところで二・二六事件陸軍青年将校によって引き起こされた事件ですが。
このとき既に50近くになっているので事件には関与しないと思いますが、この時代の軍部はどうにも不穏ですし、主人公は次男だけはやめといた方が賢明ですね。